耐久性について(FRP耐用年数)

FRPタンクの耐用年数は、『FRP水槽構造設計計算法(社団法人強化プラスチック協会)』より15年とされております。
その間接水している浸水効果や屋外暴露の影響も考慮して許容値を設定しております。
使用環境や設置環境によっては20年以上問題なく使用されている実績もあり、耐久性に優れております。
耐候性について
FRPの耐候性には大きく2点の要因が影響されます。
1.赤外線による劣化
FRP外表面に樹脂リッチ層(ゲルコート層、サーフェイスマットの使用)で紫外線からの影響を緩和させることが可能となります。
このゲルコート層が受水槽における『FRP製水槽の藻類増殖防止のための製品基準(社団法人 強化プラスチック協会)』に準拠しておりますので、優れた遮光性も兼ね備えます。
2.砂塵等による摩耗
塗装することや耐候性フィルムを複層するなどの対策を講じることで劣化を防ぐことが可能となります。
強度特性について
高温時・・・母材となる樹脂の温度依存性が大きく、樹脂の耐熱性がFRPの耐熱性を支配することとなります。FRPの耐熱性を高めるためにはビニルエステル樹脂・ビスフェノール樹脂が最適となります。
低温時・・・極低温での強さ・弾性率は向上します。この要因としてはガラス繊維の固有性質によるものです。
各種FRPの極低温および室温の機械的性質 |
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樹脂 | 曲げ強さ (MPa) | 曲げ弾性率 (GPa) | 引張強さ (MPa) | |||
77K | 300K | 77K | 300K | 77K | 300K | |
オルソ系不飽和ポリエステル樹脂 | 491 | 297 | 11.6 | 9.1 | 281 | 192 |
イソ系不飽和ポリエステル樹脂 | 523 | 320 | 13.5 | 10.2 | 294 | 178 |
ビニルエステル樹脂 | 625 | 329 | 14.7 | 11.4 | 294 | 197 |
FRP構造設計便覧 社団法人 強化プラスチック協会より出典
電気特性について
GFRPは電気絶縁性、電波透過性などの電気的特性が比較的に優れたプラスチック材料になります。
その機能は樹脂、ガラス繊維、成形方法や使用環境(温度、湿度、周波数)によっても大きく影響受けることがあります。
また、GFRPに導電性を付与するためには、カーボン繊維などの導電性材料を積層することで対応することが可能となります。